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OPINION

ホワイト物流、まずはできることから

国土交通省・経済産業省・農林水産省はトラック輸送の生産性の向上や物流の効率化、女性やシニアが働きやすい環境づくりを目的とした「ホワイト物流」推進運動を行っている。
 今年4月には、上場している荷主企業など全国6300社に対し、物流改善の取り組み方針などを含む自主行動宣言の提出・公表・実施を要請した。9月6日時点での賛同企業数は277社。10月9日現在では、賛同企業の自主行動宣言はホワイト物流推進運動のホームページ上にまだ掲載されていないが、物流に対してどの企業がどのような自主行動宣言をしているのか、注目したいところだ。
 それにしても要請から5ヵ月が経過した9月の時点で、6300社に対し277社とは、かなり少ない数字ではないだろうか。認知度がまだ低いのか、それとも提出していない企業は物流に対するプライオリティーが低いのか。実態はよく分からないが、一消費者としてこの数字を見た場合、誰も多いとは思わないだろう。前述のホームページに掲載されている「多くの企業が当運動への賛同を表明しています」の文字が虚しく感じるのは私だけか……。
 「物流改善は行うが、別に自主行動宣言をする必要はないのでは」という声があるかもしれない。しかし、インターネットで情報がすぐに飛び交う今のような時代では、企業はより高いコミュニケーションが求められる。取り組んでいることをしっかり“取り組んでいる”と声高に表明しない限り、取り組んでいないことと同等と見なされかねない。「あの企業は宣言していないのでブラック物流だ」とレッテルを貼られてからでは遅いのだ。
 同ホームページでは、早期の取り組み開始を促しており、まずは社内で合意しやすいものから宣言を行い、段階的に内容を充実させていくことを推奨している。
 また、国土交通省はホワイト物流について理解を深めてもらうため、荷主やトラック運送事業者を対象に「ホワイト物流推進運動セミナー」を全国10ヵ所(東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・福岡・広島・高松・新潟・那覇)で10月から順次開催している。各会場とも定員100名で、東京・大阪・名古屋はすでに受付終了している(10月9日時点)。

ドライバー、28年度には28万人が不足

物流クライシスと言われて久しいが、個々の改善策は進んでいるものの、抜本的な解決までは至っていないのが現状である。
 鉄道貨物協会が5月にまとめた本部委員会報告書によると、今後ドライバーの需要は増加する一方、供給は年々減少し、ドライバーは25年度に21万人、28年度には28万人が不足すると予測されている。その不足分をどう埋めるか。今取り上げられているようなキーワード「自動運転」「労働環境改善」「物流効率化」など、すべてにおいて成果を出さなければならないだろう。
 また、ホワイト物流では国民1人ひとりができることとして、「宅配便の再配達の削減」「引っ越し時期の分散」などへの協力を呼びかけている。物流に対する国民の意識が高まれば、改善は加速していくはずだ。

(吹上)