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OPINION

ポイント還元策、大手小売から不公平感

消費税が増税され、1ヵ月以上が過ぎた。中小企業支援の景気対策として、キャッシュレス決済に限り、コンビニではほぼ全店で2%のポイントが、スーパーでは中小小売業に認可された店舗で5%のポイントが、国の補助金から消費者に還元されている。このポイント還元策について、スーパー各社から厳しい意見が相次いでいる。
 イオンの岡田元也社長は「今回のような無茶苦茶なことが堂々と行われたことが問題。コンビニ加盟店は大手チェーンの傘下にあるため中小小売業ではなく、利益は本部に流れている。こんな馬鹿な話はない。経産省とコンビニはどういう関係なのかとすら思う。ごく少数のところでキャッシュレスなどが決められ、結果として不公平であることへの反省の色もない」と怒りをあらわにしている。
 同様に日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長(ヤオコー会長)も「不公平感があり、厳しい競争環境で各社が努力している中、このような政策が行われ、腹立たしくもある。理不尽な政策を少しでも早くやめてもらいたい」と声を強めた。
 反対意見は以前からあったが、施行後にこのような声が多く上がっているということは、既に影響が出ているのだろう。ポイント還元対象外の大手スーパーでは、顧客の流出や、ポイント還元に対抗した価格競争などにより、収益の悪化が懸念される。
 施行前に反対の声がそこまで大きくならなかったことについて、いくつかの要因が考えられるが、最も大きかったのはスーパー各社が一枚岩になれなかったことではないか。
 中小のスーパーでは、ポイント還元をチャンスと捉える企業も少なくない。大阪市内で12店舗のスーパーを展開し、5%のポイント還元を行うスーパーナショナルの中村健二社長は「始まって間もないが、キャッシュレス決済の使用率は伸びており、新規顧客も増えている」と述べ、効果があらわれているという。大手と中小のスーパーでポイント還元に対する考え方がわかれたことで一枚岩になれず、まとまった意見にできなかった。

業界に政治力の強化を

ライフコーポレーションの岩崎高治社長は「食料品の軽減税率や、ポイント還元によるキャッシュレス決済の推進など、それぞれの策は正しい。だが、一気に導入されて消費者には分かりづらく、小売や外食には手間や不公平感が生まれている。導入の順序を考えるべきだった」と強調。
 一方で政治家側の意見として、林芳正参議院議員は「作る前からベストなものはできない。現場の意見を聞きながらアジャストし、進化させていきたい」と述べる。しかし、今回の政策は9ヵ月限定で、来年6月まで。短い期間でどう進化させていくというのか。
 サミットの竹野浩樹社長は「商人としての発信や、業界でまとまって行動することが重要だという教訓を最も知らされた事例となった。各団体で意見の申入書も提出したが、もっと政治力を持たないといけない」と業界における今後の課題を挙げた。
 今のままではスーパー各社の声は国には届かない。現場の声を届けるためにも、団結力や発言力の強化が必要ではないか。

(杉本)