OPINION
中東紛争における日本への影響
2月28日にアメリカ・イスラエルによるイランへの攻撃が始まり、中東各国に甚大な被害が出ている。イランではすでに千人を超える死者が出たとの報道もあり、一刻も早い戦闘終結が望まれる。
この紛争の日本への影響で大きいのは、原油などをはじめとした鉱物性燃料の輸入だろう。
財務省貿易統計を見ると25年の鉱物性燃料の輸入は22兆1432億円。このうち中東地域からの輸入は10兆8341億円。約5割を中東地域からの輸入に頼っている。イラン南部のホルムズ海峡は石油や天然ガスの物流の要衝であり、3月11日時点では通航が停止状態にある。日本は7割を火力発電が占めており、天然ガス・石炭・石油などが欠かせない。
この状態が長期化すれば、日本の発電の燃料資源不足は言うまでもなく、石油由来の製品にも大きな影響が出る。
資源エネルギー庁が3月4日に公表した全国平均の油種価格では、3月2日の1ℓ当たりのレギュラーガソリンが前週(2月24日)に比べ1.4円上昇の158.5円となった。昨年の3月頃は180円台と高騰していたガソリン価格は、政府の補助金や暫定税率の廃止などで、1年かけて徐々に下がっていたものの、中東情勢の悪化によって、上昇に転じた。軽油も前週比1.4円上昇の146.6円と4週連続で値上がりしているため、物流への影響が懸念されている。
また、生産・流通における電力やプラスチック由来の包装資材を必要とする冷凍食品にとっても、この影響は非常に大きいだろう。
消費者の味方であることのアピールを
話は変わるが、先日、日本冷凍食品協会の消費者団体との意見交換会を取材した。主に冷凍食品の表示に関して活発な議論が展開された。この会では、消費者団体の代表者の一部が日常における冷凍食品との関わり方について何気なく話した。その中で「冷凍食品は普段は買わないが、小売の努力よって特売されている時に買う」といった主旨の発言が複数の人からあり、筆者は“小売の努力”というワードが心に引っかかった。
この言葉の中には「メーカーは値上げをするが、小売が消費者のために努力して特売をしている」といったニュアンスが含まれており、少し勘違いしているのではないかと感じた。もちろん、良い商品をなるべく安く仕入れて販売することは商売の基本なので、そういう意味においては小売の努力と言えるだろう。
しかし、特売は小売から提示される条件のもとで、メーカーが努力して実施していることである。本題とは直接関係のない話だったため、この件に関しての説明がなされなかったのは少し残念に思う。
ここ数年にわたって、冷凍食品に限らずあらゆる商品の値上がりが続く中、追い打ちをかけるように前述した中東紛争のニュースが出て、物価高騰がいつになったら収まるのか見通しが立たない状況が続いている。
消費者に値上げを少しでも納得してもらうためにも、その理由に関する情報発信を丁寧にする必要がある。メーカーは消費者の味方であることをもっとアピールすべきと思う。
(吹上)
