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OPINION

激変の時代を迎える覚悟を

5月から元号が「令和」に変わる。本誌「月刊低温流通」も、今号が平成最後の発行となる。
 「平成はあっという間だった」という声をよく聞き、筆者も実際そのように感じる。しかし、平成の始まりと現在を比較すると、その間に起きた変化の大きさに改めて驚くことが多い。
 平成の始め頃、家庭用冷凍食品の調理法はオーブントースターや湯せん調理が需要を拡大し始めた頃で、レンジ調理はチャレンジの段階だった。それが今ではレンジ調理だけでなく自然解凍まで一般的になり、その簡便性は冷凍食品の大きな強みになっている。もちろん簡便性だけでなく、そのおいしさも飛躍的に向上した。
 売場の変化も大きい。PBの存在感が高まり、また割引販売は平成当初の3割引程度から4割、5割引とエスカレート、現在はEDLPが主流となった。コンビニの冷凍食品売場が現在のように充実することも、平成の始まり頃には考えにくかった。業務用は、少子高齢化や社会環境の変化により学校給食や中食の比率が変化し、今は老健施設向けの重要性が高まっている。
 業界を揺るがすような事件・事故も、一度のみならず何度かあった。しかし、その反省を糧として安全性や品質を高め、着実に進化を遂げてきた。
 日本冷凍食品協会の調査によると、冷凍食品の国内生産量は平成元年の95万tから、平成29年は160万tまで拡大した。ほぼ70%の増加である。国民1人当たりの冷凍食品消費量は平成元年が10.2kg、平成29年は22.5kgで、2倍以上に拡大した。
 社会環境の変化が冷凍食品にとって追い風だったということもあるが、工夫を重ね技術を磨き、期待に応えてきたからこそ、この大きな伸びを実現できたといえる。
 ただし、これだけ品質が向上し安全性も高まり、需要を拡大した一方で、価格がほとんど変わっていないことは、逆の意味で驚きでもある。平成元年の国内生産金額5169億円に対し、平成29年は7180億円で増加率は約40%。生産量が70%伸びたことを考えると物足りない。「価値に見合った価格で販売する」ことは、令和に持ち越された大きな課題といえる。

変化が具現化している

ここ数年は様々な会合や記者会見などで、「環境の変化がこれまでになく早い」という言葉を何度も耳にしてきた。さらに令和元年の今年は、その変化が感覚ではなく具現化し、目の前に現れている。
 その一例がコンビニの24時間営業である。今後のことは不透明だが、人手不足が深刻化する中、そのモデルが岐路に立たされているのは間違いない。そして24時間営業の見直しが進めば、問題はコンビニの業績にとどまらず、食品メーカーの生産体制や物流業界の納品時間など、影響は大きい。
 ただこの変化さえも、令和の時代に起きるであろう様々な変化の1つに過ぎない。当たり前だったことが当たり前ではなくなり、そしておそらく、それらの変化を避けることはできない。対応していく覚悟をもち、平成以上に激変の時代になる令和を迎えたい。

(吉田)