OPINION
次の世代のコンビニへ
ファミリーマート、ローソンは今夏、注目の店舗を出店した。
ファミマが7月に出店した「FAMIMA PARK AZABUDAI」(東京都港区)は同社初の旗艦店。外観、内装ともに従来店とは一線を画すデザインで、NIGO®らクリエイターの視点をかけ合わせて、同社が取り組む“次のコンビニ”を具現化した。中でも目を引いたのが「コンビニエンスウェアエリア」。同社で好調な靴下やハンカチなどのブランド『コンビニエンスウェア』を全商品揃えたほか、同店限定アイテムも展開。さらに試着室も設け、専門スタッフも配置した。
ファミマは同ブランドを21年3月に導入。個人的に導入当初はここまでの事業になるとは思わなかったが、親会社である伊藤忠商事の繊維カンパニーとの強力な連携のもと、大きく成長した。
ローソンが8月にオープンした「ハッピーローソンタウン日野高幡台店」(東京都日野市)は、同社が取り組むマチづくり構想『ハッピーローソンタウン』の拠点となる店舗。6月に大阪市に出店した「ハッピーローソンタウン池田伏尾台店」に次ぐ2店舗目となる。
ハッピーローソンタウンはローソン店舗がコミュニティのハブになり、世代を超えた人々のリアルなつながりを創出することでマチの再創生を目指す取り組み。店舗やテクノロジーを活用するほか、自治体や様々な企業と連携し、新たなコミュニティを創り出す。
日野高幡台店では、高幡台団地の住民を中心にサービスを提供。住民にタブレットを貸し出し、商品の注文・配送などを行うほか、店内では近隣の食品スーパー「コモディイイダ永山店」と連携し、生鮮品などの商品を展開した。ローソンを共同経営するKDDIも同所の取り組みに参画し、テクノロジーなどを提供している。
ハッピーローソンタウンは2030年までに全国100ヵ所への展開を目標としており、今後も取り組みを加速していく。
セブンも協業の道を
ではセブンーイレブンはどうか。セブンは電通、サイバーエージェントとともにリテールメディア事業を行う新会社を設立した。店舗へのデジタルサイネージの導入を進め、デジタル広告などを展開する。しかし、リテールメディアについては、ファミマが先行している。ファミマのデジタルサイネージの導入店舗は6月末時点で1万1480店舗とセブンのおよそ3倍で、セブンが後塵を拝している。
日本のコンビニ業界を牽引してきたセブンは、近年も店内加工のベーカリーやティーなど新たな取り組みも見られるが、そこまで革新的な企画は生まれていない。一方でファミマ、ローソンはこれまでセブンを追随してきたものの、現在では自社や親会社などの強みを生かし、従来にはない新たなコンビニ像を目指している。
ただし、セブンはこれまで自前主義を貫いてきたが、7月末にソフトバンクやPayPayらと資本業務提携を締結した。これによりセブンIDとPayPayIDの統合や、ソフトバンクのAI・ロボティクス技術の活用などが見込まれる。協業の道を選ぶことで、これまでなかった画期的な取り組みが見られるかもしれない。
3社とも訴えるのが“次の世代のコンビニ”。我々の想像も及ばないような、新たなコンビニの姿を楽しみにしている。
(杉本)
